世界の開発課題

2000年、189カ国の代表がミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)に署名しました。MDGsとは、2015年までに世界の貧困や病気の大幅に削減するために達成すべき8つの意欲的な目標を掲げたものです。母子保健、教育、水・衛生へのアクセスなどの分野で成果を達成するために、期限が定まった、測定可能な目標を設定することで世界の貧困に対する闘いの新たな契機となりました。
これらの重要な開発目標の達成は、途上国政府とドナー政府のパートナーシップにかかっています。世界的な貧困との闘いで成果を出すためには、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)、MDGs、2005年グレンイーグルス・コミュニケで想定されるパートナーシップのような、さまざまなステークホルダーの役割が不可欠です。被援助国は市民社会と協力しながら、良いガバナンスの重視、自国民の福利向上への投資、透明性と説明責任が確保された開発計画の立案を通して、自国の開発を先導しなければなりません。ドナー国は、国民のためを一番に考える被援助国政府に対して、被援助国政府の政策決定を支持し、選択や優先順位を補強するような努力をすることが重要です。また、ドナー国は、途上国が持続的かつ説明責任のあるシステムによって開発資金が確保されるよう主導する必要があります。
途上国とドナー国政府がそれぞれの責任を遂行した際、大きな進展を得ることが可能であることが2000年以降、具体的な結果によって証明されています。アフリカ諸国は債務帳消しによって700億ドル確保することができ、教育分野を対象とした援助が増大し、2,900万のアフリカの子供たちが初めて学校へ行けるようになりました。また、グローバルな保健資源の増加により、300万人ものHIV感染者が命を救う抗レトロウィルス治療薬を投与できるようになり、さらに、マラリアを予防する蚊帳が5,900万もの家族へ配布されました。
2015年までに開発目標を達成するためには、特に目標達成が最も危ぶまれるアフリカ地域に対するさらなる支援が不可欠です。
- 極度の貧困および飢餓の撲滅:世界中で未だに一億以上の人々が1日1ドル未満の生活を強いられており、7人に1人が飢餓で苦しんでいます。
- 普遍的初等教育の提供:教育へのアクセス拡大は保健や政治的・経済的の発展などの開発課題全般に好影響を与えるにも関わらず、世界には学校に通うことができない子供たちが7200万人もいます。
- ジェンダーの平等:女性のエンパワーメントは開発の不可欠な要素であるにも関わらず、ジェンダーの不平等がいまだに多く存在しており、女性が貧困や病気に苦しんでいます。例えば、多くの女性が、男性よりも長時間働いているにも関わらず稼ぎが少ない、教育や政治的機会が少ない、保健医療システムの不足やHIV・エイズなどの病気による被害を受けやすいといった現状に直面しています。
- 乳幼児死亡率の削減:年間1000万近くの子供たちが5歳の誕生日を待たずに死亡しています。これは世界中で3秒に1人の割合で子供が命を落としていることを意味しています。これらのほとんどが下痢、麻疹(はしか)など予防・治療可能な病気が原因による死亡です。
- 母性保健の向上:年間50万人以上の女性が妊娠・出産が原因で死亡しており、さらに数千万もの女性が妊娠・出産に関連した傷病に苦しんでいます。
- HIV・エイズ、結核、マラリアとの闘い:HIV・エイズ、結核、マラリアは完全に予防・治療できるにも関わらず、世界の3大感染症と位置づけられています。2007年、HIV・エイズによって200万人以上が、結核によって170万人が、マラリアによって100万人以上が命を落としています。
- 環境の維持:世界では、10憶人以上が安全な水へのアクセスがなく、26億人以上が基礎的衛生へのアクセスがない状況にいます。これらの問題は気候変動や人口増加など新たな脅威によってさらに深刻化すると予想されています。
- グローバルなパートナーシップの構築:ミレニアム開発目標1~7を達成するためには、グローバルな協力関係構築に関する新たな合意が必要です。これは、途上国とドナー政府が開発を重要課題と掲げ、持続的かつ説明責任のある方法で必要な資金を調達するために不可欠です。
2015年までの中間地点に立つ今、世界の指導者は、開発に関する公約の再確認および合意目標達成のための新たな資金の投入を通して、極度の貧困との闘いを再燃させる、歴史的な好機を得ています。ONEは、MDGs達成に不可欠な幅広い支援を集め、各国指導者が目標達成のために自ら設定したターゲットやコミットメントに責任を持つよう、世界中の指導者、キャンペーン団体や市民社会とともに、取り組んでいます。
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